プロジェクト背景 (農業分野の課題と経済危機)

スリランカは近年、経済危機、社会不安、自然災害など、幾多の困難に直面しており、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた道のりは、依然として険しい状況です。

特に、2022年以降の深刻な経済危機は、スリランカ社会全体に暗い影を落としています。外貨不足、物価高騰、燃料・食料不足、医療サービスの低下など、国民生活は多方面から圧迫され、多くの人々が苦しい生活を強いられています。世界銀行の発表によると、2023年3月時点でスリランカの貧困層は570万人に達し、人口の22%に相当します。2022年には貧困率が12.3%だったことを考えると、わずか1年で貧困層が倍増したという深刻な状況が浮かび上がってきます。

こうした経済危機の影響は、特に農村部に深刻な打撃を与えています。

スリランカでは、労働力人口の約25%が農業に従事しており、農業は国の基幹産業と言えます。しかし、GDPに占める割合は10%未満と低く、農業セクターの生産性の低さが長年の課題となっています。これは、伝統的な農法への依存、灌漑施設の老朽化、農薬や化学肥料の過剰使用といった要因に加え、市場アクセスの低さ、中間業者による搾取、農業担い手不足、気候変動の影響などの問題が複合的に絡み合っているためです。

出稼ぎなどでスリランカを出国する若者

さらに、世界銀行の報告書「スリランカ開発アップデート-未来の扉を開く-」(2024年10月)では、「スリランカでは経済成長の恩恵が一部に偏り、貧富の格差が拡大している」と指摘され、「公平な分配」「地域格差是正」「失業率の改善」などが大きな課題だとも述べています。

一方で、若年世代の人材流出は深刻度を増しています。スリランカ中央銀行の発表によると、20歳から39歳までの若者約15万人(うち60%が大卒)が過去1年間に出国しました。これは労働力人口の約7%に相当します。理由として「経済的な困窮」「教育機会の不足」「国の将来への不安」などの理由が挙げられますが、この事態が常態化すると、労働力不足に止まらず、スリランカ社会全体の活力をさらに奪い、国の将来を担う人材の喪失にも繋がります。

特に、農村部での貧困の深刻化とそれに伴う若者の域外流出は、下記のような悪循環を招きます。

深刻な農村部の経済的困窮:農業セクターがより長期的に低迷し、さらなる農村部の貧困、将来への不安を招き、若者の都市部・海外流出をさらに加速させる要因となります。

教育機会の不足と貧困層の固定化:スリランカの義務教育費は無料ですが、統一テストや英語の塾に通わないと大学等の高度な教育・雇用の機会にアクセスできない現状があり、そのためには一定の収入が必要です。農村部の貧困は、教育や雇用機会の喪失、貧困層の固定化にもつながります。

食料の生産性低下と食料不足:スリランカの農業生産性が低いままでは、食料の増産が難しく、インフレの影響で生活が苦しい人々の食料確保の課題が深刻化し、栄養不足や社会不安の増大を招きます。

「Kenko1st Organic」によるソーシャルビジネスの取り組み

私たちは、2004年より、スリランカの僻地農村地帯、暮らし向きがなかなかよくならない農家の方々の悩みを直接聞き、農業分野の国際協力事業を行ってきました。

農家の継続的な収入向上には、正当な価格で販売できる販路チャンネル・独自ブランドが欠かせないとのことで、2018年に「スリランカの持続型農業を育成し、健康的な食生活を提案する社会的企業」として新たな食品ブランド「Kenko1st Organic」を立ち上げ、今日まで事業を継続してきました。

Kenko1st Organic」では、コロンボ市の中心部の自社店舗やスーパーで、有機農産物を中心とした健康的で安心な食品を取り扱うと共に、循環型農業に取り組んでいる生産者を公平で安定的な買取制度で応援することで、スリランカの小規模農家の暮らしの向上、環境負荷の少ない持続的な農業技術の普及を目指しています。現在、400品目を超える商品、100を超える生産グループと日々取引を行っています。

スリランカ伝統医療「アーユルヴェーダ」の可能性に着目

一方で、政府の債務不履行問題に伴う経済危機の影響は大きく、スリランカ国内市場は、生活物資のインフレや税負担の増加で、厳しい状況が続く見込みで、国内市場での販売だけでは限界があります。そこで海外市場に目を転じ、「スリランカが持つユニークな資源」に適切な付加価値をつけることができれば、より多くの農家の家計向上に貢献する社会的なインパクトをもたらすことが可能です。

そこで新たな資源として着目したのが、当国の伝統医療である「アーユルヴェーダ」です。スリランカで健康について考える時、アーユルヴェーダとは切っても切れない関係にあります。

スリランカのアーユルヴェーダは2500年以上の歴史を持ち、西洋医学とは一線を画す独自の体系・健康観を持っており、近年、科学的な見地から、使用されるハーブや療法の効能に関する研究も積極的に進められています。日本で言う所の針灸や漢方など「東洋医学」に近い存在です。

人がそれぞれ持つ体質(ドーシャ)に着目し、心身ともに健康的な状態になることを目指すアーユルヴェーダは、まさしく暮らしの中にある医学睡眠、運動、食事など日常の生活習慣を整えることが重要視され、体内を浄化し、乱れたバランスを整えることを目的としています。スリランカが長い歴史で培ってきたこの健康に関わる総合的な知恵を「新たな資源として、日本の市場と繋ぐことができないか?」、そして、「ハーブを生産する小規模農家や高品質のハーブを地道に製造しているメーカーに新たな陽の光を当てることができないか?

この思いを実現するために、AyuBeプロジェクトを立ち上げました。

活動のキーワード

  • 伝統医療ハーブ栽培による新たな農村開発モデル
  • 公正な買取条件やフェアトレードによる小規模農家や特に育児中の女性の収入向上
  • 伝統医療の知見や原料を活用した技術開発やブランド構築
  • 健康分野における社会起業家の養成

プロジェクト目標とアクション

1. アーユルヴェーダ植物原料に関する調査・情報収集

スリランカの専門機関(政府機関であるアーユルヴェーダ局、医学系の大学)、アーユルヴェーダ医師、ハーブ製造メーカーと連携し、使用されている植物原料の情報収集、使用方法の整理、ハーブごとの簡易的な成分分析を行い、作物生産から加工製造のプロセス、有効成分に関するデータを蓄積します。

2. アーユルヴェーダ植物原料を使用した日本市場向け商品開発と販売

日本市場向けに、アーユルヴェーダ植物原料を使用した新分野の商品開発を逐次行います。特にアーユルヴェーダにおけるドーシャ(体質)の診断が重要になるため、簡易的にドーシャを判定する問診票をオンライン上に構築し、アーユルヴェーダを日本の皆さまに身近に感じてもらいつつ、健康維持に役立つ魅力的な商品を展開します。

3. アーユルヴェーダ植物原料の活用技術の移転に向けた連携強化

アーユルヴェーダの植物原料を有効活用していくためには、科学的なアプローチに基づく、技術開発や魅力的な商品開発が欠かせません。そのために、両国の企業や研究機関、専門家と幅広くネットワークを構築し、アーユルヴェーダ植物原料の持つ可能性を共に追求していく体制を構築していく必要があります。私たちは、特に、栽培や製造、商品開発に関わる現地側との意思疎通の分野で両国の橋渡し担うべく、積極的にネットワーク構築を行います。

4. 農業分野の若手社会起業家と中小企業の養成

アーユルヴェーダの持つ多様な可能性を開花させるには、私たちだけでなく、次世代のビジネスリーダー・社会起業家を育成していく種まきが必要です。そのためには、リーダー人材の育成を行っている大学と社会的企業の視点で事業を行っている両国の企業を結び付け、社会起業人材を育成する拠点・育成制度を新たに作る必要があります。関係の深い国立ペラデニヤ大学農学部のアグリビジネスセンターと連携を強化し、社会起業家の育成機関設立の準備を進めます。

パートナー

【連携機関】国立ペラデニヤ大学農学部アグリビジネスセンター

【連携企業】アルナ・ティー、株式会社アルビオン、株式会社ハクサン、Uva Wellassa Women Organizaitonなど

【活動助成】農業分野の社会起業家の養成に関して活動資金申請中

プロジェクト進捗

アーユルヴェーダ植物原料に関する調査・情報収集

近年は、世界的に糖尿病予防、肥満解消が期待できると「サラシア(コタラヒムブツ)」が注目され、日本からも多くの引き合いがありました。一方で、アーユルヴェーダの原料や関連商品に関しては、本物ではない、あるいは、質の低い植物原料を販売するなど、市場全体の信頼性を損なう他業者が存在するのも事実です。

私たちは、スリランカの生産農家の暮らしの向上、メーカーとの信頼関係、スリランカ文化への敬意を大切にしてこれまで20年間スリランカで活動を行ってきました。その中で、農業食品分野での官民の豊富なネットワーク、栽培や加工に関する知識や経験を蓄積してきました。安心安全な原料供給のみならず、人々の末永い健康を目指し発展してきたアーユルヴェーダの日本での正しい理解とスリランカでの持続的な産業育成でぜひ連携できればと思います。

アーユルヴェーダとその植物原料が、日本の皆さまの健康で豊かな生活を支える一つの選択肢になる日を目指して、連携先や活動分野を拡げ、歩みを進めていきたいと思います。

ハーブ名含有量が多い成分期待される効果(機能性成分)
アサダガム(実)ルチン、GABA、グリセロリン酸コリン、アルギニン、リノレン酸、キナ酸など【GABA】認知機能のサポート、血糖値をおだやかにする機能性あり【アルギニン】血圧をサポートする、コレステロールの改善に役立つといった機能性が報告【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげる機能性あり
アスウェンナ(葉・茎)プロリン、GABA、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、ヒスチジンなど【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにする機能性あり【アラニン】体脂肪を減らすやBMI値の改善に役立つといった機能性あり【アルギニン】血糖値をおだやかにしたりBMI値の改善に役立つなど複数の機能性あり
アムラ(実)GABA、プロリン、グリセロリン酸コリン、グルタミン、リノレン酸、エルゴテインなど【GABA】やる気・活力をサポートしたり、イライラ感を緩和するなど複数の機能性あり【リノレン酸】血圧をサポートする、内臓脂肪を減らすような機能性あり【エルゴテイン】認知機能をサポートする機能性あり
アラッタ(根)アスパラギン、GABA、トレオニン、アスパラギン酸、アルギニン、セリン、グルタミン、ピロシアニジンB-3、ピノセンブリンなど【GABA】やる気・活力をサポートしたり、イライラ感を緩和するなど複数の機能性あり【アルギニン】血糖値をおだやかにする、BMI値の改善に役立つといった機能性あり【セリン】睡眠の質を高める機能性あり
アラル(実)キナ酸、プロリン、アルギニン、GABA、クエルセチン3-グルクロニド、アスパラギン、グリセロリン酸コリン、カルニチンなど【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげるような機能性あり【アルギニン】コレステロールの改善に役立つ、中性脂肪値を抑えるなど複数の機能性あり【GABA】認知機能をサポートする、血圧をサポートするなど複数の機能性あり
イラムス(茎・葉)ルチン、オレアノール酸、キナ酸、GABA、アスパラギン、アルギニン、プロリン、イソクエルシトリンなど【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげるような機能性あり【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにするなど複数の機能性あり【アルギニン】血圧のサポートやBMI値の改善に役立つなど複数の機能性あり
ウェネペネラ(葉)プロリン、キナ酸、クエルセチン3-グルクロニド、GABA、リノレン酸、トレオニン、アスパラギン酸アピゲニン、バリンなど【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげるような機能性あり【GABA】にはやる気・活力をサポートしたり、イライラ感を緩和するなど複数の機能性あり【リノレン酸】肌の健康を守るのを助けるや内臓脂肪を減らすなど複数の機能性あり
ウェルミー(茎・根プロリン、グラブリジン、アルギニン、アスパラギン酸、GABA、アラニン、トリゴネリン、バルバロイン、クルクミン、ヒスチジンなど【グラブリジン】ウエストサイズを減らしたりエネルギー代謝をサポートするなど複数の機能性あり【アルギニン】血糖値をおだやかにするや血圧をサポートするなど複数の機能性あり【GABA】肌の健康を守るのを助けたり認知機能をサポートするなど複数の機能性あり
カトゥピラ(葉)ベルゲニン、アルギニン、プロリン、トリゴネリン、グルタミン、(-)-ガロカテキン、GABA、グリセロリン酸コリン、リノレン酸、アスパラギンなど【アルギニン】コレステロールの改善に役立ったり中性脂肪値を抑えるなど複数の機能性あり【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにするなどの機能性が報告【リノレン酸】血圧をサポートするや内臓脂肪を減らすなど複数の機能性あり
カレーリーフ(葉)キナ酸、プロリン、イソクエルシトリン、トレオニン、フィセチン、ヤモゲニン、トリプトファンなど【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげるような機能性あり【ヤモゲニン】認知機能をサポートする機能性あり
コタラムヒブツ / サラシア(幹)マンギフェリン、ヤモゲニン、(-)-ガロカテキン、サラシノール、ピロシアニジンB-3、トレオニンなど【ヤモゲニン】認知機能をサポートするような機能性あり【サラシノール】お腹の調子を整えたり糖の吸収をおだやかにするなど複数の機能性あり
サワーサップ(葉)プロリン、キナ酸、ルチン、トリゴネリン、セリン、シアニジン3-グルコシド、GABA、トレオニン、アスパラギンなど【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげるような機能性あり【セリン】睡眠の質を高める機能性が報告【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにする機能性あり
セイロンシナモン(樹皮)トレオニン、ヤモゲニン、ピロシアニジンB-3、けい皮酸、GABA、キナ酸、シアニジン3-グルコシド、フェルラ酸、サフラナール、クマリンなど【ヤモゲニン】認知機能をサポートするような機能性あり【ピロシアニジンB-3】コレステロールの改善に役立ったり肌の健康を守るのを助けるなど複数の機能性あり【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにするなどの機能性あり
セッブ(葉)イソロイシン、グリセロリン酸コリン、グルタミン、GABA、バリン、フィセチン、アルギニン、ヒスチジンなど【イソロイシン】疲労感を軽減する機能性あり【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにするなどの機能性あり【バリン】疲労感を軽減する機能性あり
タマリンド(実)ピロシアニジンB-3、カタチン、GABA、グリセロリン酸コリン、トレオニン、アルギニンなど【ピロシアニジンB-3】コレステロールの改善に役立つ、肌の健康を守るのを助けるなどの機能性があり【カタチン】BMI値の改善に役立つ、肌の健康を守るのを助けるなどの機能性が報告【GABA】肌の健康を守るのを助ける、認知機能をサポートするなど機能性あり
チョウマメ/バタフライピー(花)アスパラギン、シアニジン3-グルコシド、トレオニン、GABA、イソロイシン、バリンなど【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにする機能性があり【イソロイシン】疲労感を軽減する機能性が報告【バリン】疲労感を軽減する機能性あり
ティッピリカビシン、アスパラギン、トレオニン、リノレン酸、GABA、イソロイシンなど【カビシン】血圧をサポートするような機能性あり【リノレン酸】エネルギー代謝をサポートしたりコレステロールの改善に役立つ機能性があり【GABA】血糖値をおだやかにしたり血圧をサポートするなどの機能性あり
トゥルシー(茎・葉・花)ルチン、オレアノール酸、GABA、リノレン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、アラニン、プロリンなど【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにする機能性あり【リノレン酸】肌の健康を守るのを助けたりエネルギー代謝をサポートするなど複数の機能性あり【アラニン】体脂肪を減らす、BMI値の改善に役立つ機能性あり
ニーラミリヤ(茎・葉・花)アスパラギン、クエルセチン3-グルクロニド、GABA、プロリン、バリン、トレオニン、リノレン酸、グルタミンなど【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにする機能性あり【バリン】疲労感を軽減する機能性が報告【リノレン酸】血圧をサポートしたり肌の健康を守るのを助けるなど複数の機能性あり
パパイヤリーフ(葉)ルチン、アスパラギン、トレオニン、バリン、ヒスチジンなど【バリン】疲労感を軽減するような機能性あり【ヒスチジン】疲労感を軽減したり認知機能をサポートする機能性あり
パワッタ(葉)ルチン、アスパラギン、フェニルアラニン、リノレン酸、トレオニンなど【フェニルアラニン】体脂肪を減らしたりBMI値の改善に役立つ機能性あり【リノレン酸】肌の健康を守るのを助けたり内臓脂肪を減らす機能性あり
プラフミ(茎・葉)クエルセチン3-グルクロニド、アスパラギン、ヤモゲニン、GABA、トレオニン、オレアノール酸、アスパラギン酸、プロリン、ルテオリンなど【ヤモゲニン】認知機能をサポートするような機能性があります【GABA】認知機能をサポートしたり血糖値をおだやかにする機能性あり【ルテオリン】血糖値をおだやかにするや目や鼻の調子を整えるなど複数の機能性あり
へーンボビティヤ(茎・花・葉)ビテキシン、ルチン、オレアノール酸、
キナ酸、イソクエルシトリン、リノレン酸、(-)-ガロカテキン、カテキン3-ガラート、ピロシアニジンB-3など
【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげるような機能性あり【リノレン酸】エネルギー代謝をサポートしたりコレステロールの改善に役立つなど複数の機能性あり【ピロシアニジンB-3】にはスムーズな血流を助けたり肌の健康を守るのを助けるなど複数の機能性あり
ベリフルーツ(実)アスパラギン、キナ酸、アスパラギン酸、プロリン、トレオニン、セリン、アラニンなど【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげる機能性あり【セリン】睡眠の質を高める機能性が報告【アラニン】体脂肪を減らしたりBMI値の改善に役立つなど複数の機能性あり
ポルポラ(葉・茎)GABA、プロリン、リノレン酸、グルタミン、トレオニン、アルギニン、アスパラギンなど【GABA】やる気・活力をサポートしたり認知機能をサポートするなど複数の機能性あり【リノレン酸】血圧をサポートしたりエネルギー代謝をサポートするなど複数の機能性あり【アルギニン】にはコレステロールの改善に役立つ、中性脂肪値を抑える機能性あり
モリンガ(葉)グルタミン、フェニルアラニン、ルチン、トレオニン、アスパラギン、キナ酸、バリン、イソロイシンなど【フェニルアラニン】体脂肪を減らしたり、BMI値の改善に役立つなど複数の機能性あり【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげる機能性あり。【バリン】疲労感を軽減する機能性あり
ヤキナーラン(葉)プロリン、キナ酸、アスパラギン、ヘスペリジン、トレオニン、トリゴネリン、リノレン酸、セリンなど【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげるような機能性あり【ヘスペリジン】体温維持を助けたり疲労感を軽減する機能性あり【リノレン酸】血圧をサポートしたり肌の健康を守るのを助けるなど複数の機能性あり
ライムピール(実の皮)キナ酸、ヘスペリジン、リモニン、アスパラギン、GABA、トレオニン、プロリン、グリセロリン酸コリン、ヤモゲニンなど【キナ酸】排尿に行くわずらわしさを和らげるような機能性あり【ヘスペリジン】体温維持を助けたり疲労感を軽減するなど複数の機能性あり
ラサキンダ(葉)アルギニン、GABA、プロリン、グルタミン、イソロイシン、β-エクジステロン、リノレン酸、シトルリン、S-アリルシステインなど【アルギニン】コレステロールの改善に役立つ、中性脂肪値を抑えるなど複数の機能性あり【GABA】血糖値をおだやかにするなど複数の機能性あり【イソロイシン】疲労感を軽減する機能があり
ラナワラフラワー(花)プロリン、ルチン、GABA、アルギニン、トリゴネリン、アスパラギン、リノレン酸、ルテオリンなど【GABA】やる気・活力をサポートしたり、イライラ感を緩和するなどの機能性あり【アルギニン】血圧をサポートする、BMI値の改善に役立つといった機能性あり【リノレン酸】肌の健康を守るのを助ける、内臓脂肪を減らす機能性あり
これ以外の植物原料の取り扱いもございますので、お問い合わせ下さい
取り扱いアーユルヴェーダ原料リスト(一部)と成分分析結果/住友化学株式会社 Biondoサービスによる分析結果

Kenko1stのパッケージでもお取扱い可能ですので、スリランカ産の植物原料(ハーブ、スパイス、その他食品)興味をお持ちの方は、ぜひご連絡ください。

アーユルヴェーダ植物原料を使用した日本市場向け商品開発と販売

新商品「ハーブティー・シリーズ」を日本向けに商品化しました

『AyuBe(アーユービ)』は、スリランカのアーユルヴェーダ医師の監修の下、『4種類のドーシャ(体質)』に合わせた複数のハーブをブレンドした日本向けのハーブティーシリーズです。無添加、無加糖、ノンカフェインですので、幅広い世代の皆さまにお飲みいただけます。

ドーシャに体質に関わらず、お飲みいただける『7Mixed』ブレンドに加え、各ドーシャ(体質)のバランス維持・改善効果が期待できる4種のハーブティーをご用意しました。また、ティーバッグ仕様になっていますので、熱湯を注ぐだけで簡単にハーブティーが楽しめます。

当ハーブティーに興味の方は、『AyuBe Lifeページ』をぜひご覧ください!

クリックするとAyube Herbal Tea のページをご覧いただけます

アーユルヴェーダ体質診断アプリのご紹介

体質別の4種のハーブティーからお選びいただく際には、あなた自身のドーシャ(体質)を知る必要があります。そのために、ドーシャを判定するアプリ(外部ページ)を制作いたしましたので、ぜひ、チャレンジしてみてください。

35の質問に回答すると、あなたのドーシャが簡易的に判定されます。スリランカで医師による実際の問診に使われているものを日本向けにアレンジしました。

Dr.ニシャンティー
アーユルヴェーダ医師(Reg.No. 13873)。コロンボ市郊外で自身でクリニックを運営。
政府機関で産業医として勤務経験あり。
診療に加え、針治療も行う

ドーシャ診断アプリ(外部ページ)

アーユルヴェーダでは、人は基本的な3つの要素、ヴァータ(Vata)、ピッタ(Pitta)、カパ(Kapha)に分けられるとされ、この3つの要素の配分・バランスが、個々の体質を構成します。実際の診察では、問診と脈診を組み合わせて体質の判定と乱れを診断します。今回、実際スリランカで使っている問診票を日本向けにアレンジした簡易体質判定アプリを作りましたので、ぜひお試しください。

アーユルヴェーダ植物原料の活用技術の連携に向けた連携強化

日本企業や研究機関が持っている農業や加工に関するノウハウや技術をスリランカに繋げることで、より大きな付加価値を生み出す原動力になります。

私たちは、当会の活動地の一つであるキャンディ県にある国内有数の名門大学ペラデニヤ大学農学部を中心に、両国の企業や研究者を繋げ、農業分野のイノベーションを促進するネットワーク作りをしています。今後もペラデニヤ大学農学部を研究・商品開発、人材育成の中心拠点にすべく取り組みを進めていきますので、興味のお持ちの企業や研究機関の皆さまは、ぜひお声がけください。

農業分野の若手社会起業家と中小企業の養成

スリランカ国内では、Kenko 1stを通して様々な出会いがありますが、その中でも「社会課題の解決に向けて事業を行っているメーカーやグループ」と販売や商品開発面での連携を深めています。一方日本では、スリランカで研究や事業展開を行っている企業の皆様との交流を深め、農業分野の次世代を担う社会起業家・企業の育成に向けた連携体制作りに着手しています。

スリランカ有数の紅茶メーカーAruna Tea社のFoodex2024出展をサポート

また、社会的企業の支援や社会起業家養成を積極的に行っている京都市で、スリランカの社会・文化について専門家と共に考える学術イベント「舌で知り、頭で味わうスリランカ」(京都大学人間・環境学研究科 学術越境センター主催)や若者とソーシャルキャリアについて考えるイベント「ソーシャルキャリアの歩き方」(京都ソーシャルイノベーション研究所/SILK主催)を共催させていただきました。

これらの企画を通して、京都の関係者の皆さまと今まで以上のつながりができつつありますので、このご縁を大切にして、次のステップに進むことができればと思っています。

京都市SILKとソーシャルキャリアに関する参加型イベントを開催(2024年7月)
京都大学でスリランカ関連の学術イベントを開催し、アプカスの社会的企業の取り組みを紹介
研究者、実務者、国際協力関係者、学生市民、90名ほどが参加

APCAS Action for SDGs Goals & Targets

『SDGsを目指すこと』は、私たちには『普通のこと』

AyuBeの価値は、実はまだあります。

私たちの20年に及ぶ国際協力活動の根底には、「人や地域の真の発展を外部者という自覚をもってサポートする」という視点があります。これは、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられている目標やターゲットとも多くの共通点があります。SDGsの視点から、当プロジェクトならではの活動の意義、そして、どういった貢献が現場でできるのかをご紹介いたします。

Goal 01:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

 ➡ AyuBeの販売を通して、経済的に困窮するスリランカの農村の貧困格差の改善に直接寄与します

Target 1.2
2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。
Target 1.5
2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。


農村部の発展に女性の力は欠かせません

Action for Goal 01

私たちのAyuBeプロジェクトは、貧困ライン以下で暮らす人々が多く暮らすスリランカの農村で、付加価値の高いアーユルヴェーダハーブの栽培や収穫方法を広く共有し、安定した価格で直接買い取ることで、特に小規模農家の中でも、「女性(比較的栽培が容易で空き時間等でもできる)」や「子ども(子どもが空き時間に野山で採取できる特殊なハーブが多数ある)」の収入向上に直接寄与します(現時点で2000名ほどの女性・小規模農家がハーブ製造会社と直接取引し、収入を得ています)。

また、気候変動に強く、商品価値の高いハーブの育成をサポートすることで、外部からの脆弱性の軽減を図り、持続的に農村で暮らせるような生産体制を作ります。


Goal 02:飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

 ➡ AyuBeの販売を通して、付加価値の高い農作物の栽培と安定的な買取体制を構築し、農村地域の社会・経済的な発展に寄与します。農業収入を向上と家計の安定に加え、特に自家菜園での食料・農作物栽培もサポートし、食料の安定確保にも直接寄与します。

Target 2.3
2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。


十分なごはんが食べられない子どもも

Action for Goal 02

AyuBeプロジェクトは「市場へのアクセスが限られているスリランカの農村」と「日本の市場をダイレクトに繋げることで、現地の農家やメーカーに還元を行います。特に、ハーブ類は土地の広さや力の必要な作業が少なく、女性でも栽培しやすい特性があるため、家族規模の農家である『小規模生産者』からの買取をこれまで以上に推進することで、地域全体にすそ野を広げた事業展開が可能です。また、農作物の買取だけでなく、他の農作物の買取や商品化などもKenko1stプロジェクトを通して行い、農村全体の振興に貢献します。

Goal 04:すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する


AyuBeの販売を通して、特に小規模農家の女性(子育て中の女性の副収入など)の収入向上を推進し、子どもの教育費の捻出をサポートします。加えて、栽培技術の向上や付加価値の高い商品開発にも継続的取り組み、特に女性と子どもが希望と誇りを持って地方で暮らすことができる環境整備を行います。

Target 4.3
2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。

Target 4.4
2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。

教育支援活動を行っていた農村部の学校

Action for Goal 04

スリランカも公教育は無料ですが、大学や都市部の企業に就職するために欠かせない高等教育を受けるには日本同様、塾に通ってテスト勉強をしたり、特に公用語でもある英語を習得する必要があります。そのためには、どの家庭にも「教育費用」が必要になります。特に地方の農村の貧困世帯の場合、そもそも公教育自体もしっかりしていない(例えば、僻地農村部では先生の数や教室の数が足りていない)上に、教育資金が限られているため、塾に通うなど追加的な教育サポートは受けられません。これらの事態が改善されないと貧困層と富裕層の教育格差が固定化され、多くの農村部の若者が自らの人生への希望を失ってしまいます。

AyuBeプロジェクトでは、スリランカの農村の小規模農家、中でも子育て中の女性や子どもたちにも一部の収穫を手伝ってもらい、そのハーブを植物原料やハーブティーとして日本市場で商品化します。特にハーブ栽培は、栽培過程の労力が比較的少なく、野山に自生している植物も活用可能です。そのため、外に働きに出づらい子育て中の女性の副収入の向上、子どもがいる世帯への収入向上効果が期待でき、教育費用の捻出に最短でアプローチできます。

Goal 08:すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

 ➡ AyuBeの販売を通して、より公平な買取制度や働きがいのある雇用環境を整備し、販売利益から雇用される人々のセーフティーネットや学びのサポートもします。さらに、日本企業や大学・専門機関と連携し、農業分野の研究とイノベーション、若者の社会的企業の設立支援も強力に推進します。

Target 8.2
高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。

Target 8.3
生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。


スリランカから海外に出国する人々

Action for Goal 08

2022年からの経済危機により、スリランカでは若年世代の人材流出が深刻度を増しています。スリランカ中央銀行の発表によると、20歳から39歳までの若者約15万人(うち60%が大卒)が過去1年間に出国しました。これは労働力人口の約7%に相当します。理由として「経済的な困窮」「教育機会の不足」「国の将来への不安」などの理由が挙げられています。

ハーブ栽培は、栽培の労力(力仕事)がそれほどかからない、言い換えると、女性でも栽培・収穫ができ、子どもも合間に手伝いができるという特性があり、世帯の新たな副収入にも適した作物です。また、輸送面でも乾燥物を送るので、輸送効率が高く、僻地農村でも距離制約があまりありません。そういった意味でも、アクセスの悪い僻地農村でもハンディキャップにならず、「ディーセント・ワーク」になる可能性を秘めた農業分野であると言えます。

古くから栽培・自生しているハーブの栽培・製造で正当な対価と社会的な評価が得られれば、わざわざ海外や都市部に出ていく人々が減るはずです。さらに、新たな魅力ある商品の開発・イノベーションが進み、市場を開拓することができれば、セーフティーネットや学び・技術習得といったより多くの恩恵とやりがいのある仕事を農家の皆さんにもたらすことができます。

さらに、私たちは農業分野の社会起業家・新たな企業の育成についても、スリランカ政府、国際協力機関、日本企業、大学と連携して進める計画を立てています。長い歴史で栽培・利用されてきた伝統医療のハーブ・スパイス類に新たな光を当て、スリランカ農業の新たな産業に育成していきます。

Goal 12:持続可能な消費と生産のパターンを確保する

AyuBeの販売を通して、アーユルヴェーダの健康的な生活を維持するための知識体系を広く普及し、自然の恵みであるアーユルヴェーダハーブのさらなる活用方法を専門機関や企業と共に進めます。

Target 12.8
2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。


Action for Goal 12

アーユルヴェーダの効能はまだまだあるはず

日本でもスリランカでも生活習慣病が社会問題になっています。スリランカでも肥満率が27%という報告があり、都市化や食生活の西洋化が進む中で、肥満や生活習慣病(非感染性疾患、NCD)が増加中です。伝統的な食事スタイルでは比較的健康的だったものの、現在は塩分や油分、糖分の多い食事を取っていることが、主な要因だと考えられています。

アーユルヴェーダの「自分自身の体のバランスの変化を日々意識し、健康的な生活を維持するために体質に合わせた食事・睡眠・運動(ストレスケア)を行う」という基本的な考え方と共に、より健康的で自然と調和した生活に繋がるハーブや食材の有効な利用法を合わせて普及し、より健康的な生活を送るための選択肢の一つに伝統医療がなれるよう、科学的な視点をベースに両国での研究や情報発信、商品開発を進めていきます

お問い合わせ

LINE問い合わせ(担当:石川)

私たちは、現地に農業分野とスリランカ文化に精通した日本人の駐在員(アプカス代表石川/現地駐在歴20年)がおりますので、アーユルヴェーダ原料に関する詳細情報(生産や製造過程、使用方法)のご提供に加え、スリランカ政府機関アーユルヴェーダ庁、大学、医師との連携に関しても、日本語でワンストップで対応可能です。

他のプロジェクト同様、日本の皆さまと伝統医療を支えている人々がお互いに顔が見える形で信頼をベースに連携を進めて行きたく思っています。スリランカのアーユルヴェーダ、植物原料に興味をお持ちの方、一緒に商品開発や研究をされたいという方、SDGsやCSRで連携されたい方は、ぜひアプカスにお気軽にご相談ください!

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リーフレット

関連冊子のデータとなります。

Ayurveda事業リーフレット(ウエルネスフードJAPAN 2024配布)
Dosha Based Ayurvedic Herbal Tea -AyuBe- リーフレット

データ元:AyuBe公式ページ https://ayube.life/