【記事】うちの会社が強制労働!?対応迫られる企業の人権リスク

NHKオンライン 2021.06.10

あなたの職場でも、突然、こんな悲鳴が聞こえてくるかもしれない。ビジネスのグローバル化が進む中、日本企業は人権リスクへの対策を迫られている。背景にあるのは、世界的な人権意識の高まりだ。自社のみならず、海外の取引先や原料の産地で強制労働や児童労働が起きていないかチェックするよう厳しく求められているのだ。

こうした問題は服だけでなく、食品などでも同じことが言える。

私たちがよく口にするチョコレートの世界では、海外の人権団体と連携し、原料を提供する国での人権リスクを減らそうという取り組みがある。

アメリカ政府などの調査によると、アフリカのガーナでは、およそ77万人の子どもたちがチョコレートの原料、カカオの生産に携わっていると見られている。児童労働によって教育の機会が奪われ、農薬を使用するなど危険な労働に関わっていることも報告されている。

こうした中、いま注目されているのが、スイスのNGO、国際カカオイニシアチブ(ICI)が現地の農家と協力して児童労働を防ぐ仕組みだ。

右端が見回り役の男性

まず、カカオ農家の中で人権問題に理解のある人に地域の見回り役になってもらう。見回り役は、週に数回、複数の農家を個別訪問し、子どもたちが働かずにきちんと学校に通えているか確認する。もし、児童労働が確認された場合は、その詳細についてスマートフォンを活用した専用のシステムを通じ、即座にNGOに報告。

NGOは、契約を結ぶチョコレートメーカーなどとその情報を共有し、子どもが学校に通えるよう支援策を一緒に検討する。

日本政府も去年10月、「ビジネスと人権に関する行動計画」を公表した。

この中で企業に促しているのが、「人権デューディリジェンス」の導入だ。これは、企業が強制労働や児童労働、ハラスメントといった人権侵害のリスクがないかを調べて対策を取り、必要な情報を開示するというものだ。

ただ、行動計画に法的な拘束力はないため、こうした取り組みが広がるかどうかは、企業の自主性に任せられている。

【出典元】https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210609/k10013074681000.html?utm_int=detail_contents_tokushu_001

APCAS

 スリランカにも世界から多くの企業が進出しています。特に食品原料の供給や服飾の下請け工場などが大きな産業となっています。現地の生産や製造に関わる「人権」や「環境リスク」を、前向きにマネージメントしていくようなサポートが、現地での活動が長く、スリランカの文化や社会制度に精通したNGOの私たちにはできると思います。特に日本企業の皆様とこれらの分野で連携することができないか、ぜひ模索したく思っています!

 2020年10月にスリランカの縫製工場で、コロナ感染の大きなクラスターが発生しました。この問題も労働環境の問題ともリンクしているかもしれません。