【記事】外国人観光客がスナックに大興奮 ママ気配りも…「ナイトタイムエコノミー」起爆剤へ / テレ朝NEWS
2023.10.10
https://news.yahoo.co.jp/articles/be1dfa1312964ffe96b1bdcbe923c8ef7e9acdc9
インバウンドが急回復する一方、日本の課題とされているのが外国人観光客が夜を楽しめる「ナイトタイムエコノミー」のコンテンツ不足です。その起爆剤として期待される「スナックはしごツアー」に密着しました。
ママの気配りが際立つ「スナックツアー」
外国人観光客向けのスナックを巡るツアー
夜の東京・新橋駅前に集まった外国人の一団は、これからどこに向かうのか。
付いていってみると、新橋の路地裏をどんどん進んでいきます。
歩くことおよそ5分、着いた先はなんと日本独自の夜の社交場・スナックです。
スナック栗奴 栗奴ママ:「ようこそ!いらっしゃいませ~」
スナック栗奴 ツアースタッフ
栗川佳子さん:「ここでは、ある呼び名で彼女を呼びます。ママ、お母さん、オーナー、どれだと思いますか?」
「(Q.分かんない。ママかな?)では、彼女をママと呼んでみてください。3.2.1、ママさーん」
実は、外国人観光客向けのスナックを巡るツアーです。この日は、日本在住の外国人を含む4人が参加し、初めてスナックを体験します。
アメリカ出身 ケイティさん:「2人ともスナックに行ってみたかったけど、私たちだけで行くのは怖かったので、試してみました」
スナック栗奴 ツアースタッフ:「(スナックは)他のお客さんやママと一緒に飲んだり、コミュニケーションをとったり、あとはカラオケをしたりできます。板チョコのようなドアで、店内を見ることができません。日本人でもスナックの世界に入るのをためらうことがあります」
「(Q.なぜですか?)中が見えなくて、スナックの中で何が起きているのか分からないからです。だから、日本人のためのツアーもあります」
ツアースタッフが参加者の外国人に、スナックとはどういう場所なのか説明していきます。
ママも笑顔 店内に生まれる一体感
外国人たちの楽しそうな様子
さらに、ママならではの気配りがありました。
スナック栗奴 ツアースタッフ:「(この店では)お客さんが歌うたびにその曲名を覚えておいて、書いておきます。歌の名前を全て記録します。(ある1人の記録は)800曲です」
客ごとにあるリストには曲のキーまで書き込むなど、次に来た時に歌いやすいよう、ママの細やかさが光ります。さらにスナックといえば、カラオケです。果たして、参加者の外国人はどんな曲を選ぶのでしょうか?選曲はまさかの邦楽です。しかも、日本でも人気のOfficial髭男dismです。
イギリス出身 エマさん:「この歌、大好き。ヒゲダン、ダイスキ!」
アメリカ出身のケイティさんは、中島みゆきさんの「時代」を歌っていました。
ケイティさん:「(Q.どうしてこの歌を知っている?)以前、日本の高校で働いていたんですが、卒業式で歌います」
ペンライトも配られ、店内に生まれる一体感。外国人たちの楽しそうな様子に、ママも笑顔です。
アメリカ出身 アナンヤさん:「日本でホームステイした時、ホームステイ先のお姉さんがハナミズキを歌ってくれました。だから知っています」
あっという間の1時間でした。
タロットを活用した「婚活スナック」
午後8時すぎに、1軒目のスナックを出た一行。ツアーは、これで終わりではありません。
スナックaeru ウララママ:「こんばんはー。どうぞいらっしゃいませー」
次に向かったスナックaeruでは、常連の日本人客も混じって乾杯。スナックの魅力「地域コミュニティー」を楽しみます。そして、ママが特技を披露します。
ウララママ:「きょうはタロット占いできるかな」
タロット占いが得意のママ。タロットを使ってお客同士をマッチングする「婚活スナック」としても知られているのです。
早速、参加者の外国人にも占ってもらうことにしました。
アナンヤさん:「誰が私にとっての理想のパートナーですか?」
ウララママ:「気になる人は?」
アナンヤさん:「微妙にいるけど」
ウララママ:「キング。男性のカードだからいますよ。お金持ちの年上の男性。お金ない人だめ」
外国人観光客がどんな事を聞くのか、常連客も興味津々です。
さらに、スナックaeruでも、ママと常連客と一緒にカラオケを大合唱。一体となって盛り上がります。
スナックツアー「日本の夜を盛り上げる」
日本ならではのナイトカルチャーを堪能した一行に感想を聞きました。
イギリス出身 スコットさん:「もちろん満足です。イギリスより親密な文化でした」
アナンヤさん:「日本人は外で勤勉に働いているイメージがありました。だけど、ここでは家族のように話すことができます。日本の違った一面に触れられて、楽しかったです」
イギリス出身 エマさん:「(Q.ママはどうですか?)すごい。女優さんです」
「(Q.常連さんはどうですか?)実に良い歌手です」
催者は「外国人観光客向けのスナックツアーが日本の夜を盛り上げる」と確信しています。
スナック横丁 五十嵐真由子代表取締役:「(スナックは)全国に10万軒あると言われているので、我々としては1カ所に集まるのではなく、色々なところに分散しながらも、たくさんのスナックを体験して、もっともっとニッチな所、全国各地にあるスナック楽しんで頂きたい」
抜粋/「グッド!モーニング」2023年10月10日放送分
夜の日本文化に興味のある外国人が遊びに来たら、ぜひ素敵なスナック(地元に行きつけのスナックはないですが笑)に連れて行ってみたいです。独特の一体感がある空間で、きっと体験を面白がってくれると思います。
そういった意味でも、コロナ禍を超えて、有形無形の価値があるスナック文化が、個性的なママと店舗と共に次世代に残って欲しいと思います。