【報告】スリランカは、お正月休暇。今年は停電あり、抗議運動ありのお正月です苦笑
2022.04.10
スリランカは正月休暇に入りましたが、日本でも報道されている通り、インフレによる食料や燃料の価格高騰から閣僚の退陣にまで発展しています。私たちの活動への影響も去ることながら、今までにない急激なインフレと経済活動の停滞は、特に収入の少ない世帯へ深刻な影響を与えています。
日本のメディアからも問い合わせを受けましたが、スリランカの問題は、「ロシアのウクライナ侵攻」とは切り離して考える必要があるかと思います。
スリランカは歴史的にも政治とガバナンス(政治腐敗)の問題があり、2009年の内戦終結後から強権的な傾向がさらに進み、権力中枢とそれを支える人々にとって都合のよいように制度や経済が歪められ、場当たり的な政権運営により、政治や財政の課題が先送りされてきました。それらが、テロ事件やコロナ禍によって経済が悪化することで顕在化し、ウクライナ侵攻によって悪化。さらに政治的混乱にも拍車がかかりました。一方で現政権とその親族による政権を支えてきた国民の存在(この点ではロシアと似ている側面)もあります。
インド洋の要衝として地政学的に重要な位置にあるスリランカへの対応を巡り、ウクライナ情勢でさらに流動化するアメリカ、中国、インドのパワーバランスの中で、大国の駆け引きが水面下で進んでいるようです。いずれにせよ。海外からの多くの債務をどう処理し、次世代にどう繋げていくか、さらに、問題の根源であるであるガバナンスや政治文化をどう変えていくか、先延ばしにできない状況です