【Voice】雨の日の滞在客

 ある宿泊客が滞在中にずっと雨だったため、屋外での体験ツアーが何もできない時があった。2日間の滞在で、宿泊客に提供できる体験がほとんどないという現実の前で、コンシェルジュ(地元の若年世代から選抜したおもてなしスタッフ)たちも焦って、お客さんが退屈しているのではないか、何かできることはないかと、考えたようだ。

 言葉の壁もあるため、長時間おしゃべりするのも難しいし、テレビやインターネットもないので、 コンシェルジュ 同士が相談して、料理の時には声をかけて一緒に作ったり、お茶も一緒に飲んだりと今までよりも気を遣っておもてなしをした。

 それでも、満足してもらえないだろうと コンシェルジュは思っていたが、宿泊客に後々聞いたところ、「こんなにゆっくりとした時間を過ごしたのはとても久しぶりで、リフレッシュできました」という感想をもらった。候補生は「何もなくても、満足してもらえる」という事にとても驚いていた。

 逆に考えると、不便ながらもそういう静かな環境を提供できる事が、バウラーナ村の魅力でもある事を実感したと共に、どういうおもてなしが喜ばれるかは、人それぞれで大きく変わる事を学ぶ機会ともなった。